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[05.02/]
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旅行先で泊ったペンション、スター☆パーティのオーナーさんから個人的にしっくりくる話を聞きました。アルタイル(わし座)とベガ(こと座)が何故ペアとして扱われるのか、という話です(私がそういう風に勝手に解釈してるだけかもしれないですが)。

 まずアルタイルとベガ、聞くと、夏をイメージする人が多いんじゃないでしょうか。デネブも入れると「夏」の大三角になりますし。ところが、夏のアルタイルとベガって、あんまりセットな感じがしないんです。ベガは天頂近くにあるけど、アルタイルはそれよりは低いところにある。確かに天の川を挟んで対称なのかもしれないけれど、ちょっとしっくりきません。「飛ぶ鷲」「落ちる鷲」、「彦星」「織姫星」というほどの関係性があるように思えない。ところが秋になると話が変わってくるのです。

 オーナーさんがプロジェクターに秋の夜空を映します。秋が深まっていくにつれ、アルタイルとベガは同じような高度に位置し始めます。そして十一月末まで、この二つの星は高度を揃えています。オーナーさんが「飛ぶ鷲」「落ちる鷲」の説明を始めます。いわく、アルタイルを「飛ぶ鷲」、ベガを「落ちる鷲」と捉えるとき、注目すべきはアルタイルとその両脇の星、ベガとその両脇の星、この三つずつのみであるのだと。秋ごろの空では、アルタイルとその両脇の星は、ほとんど水平の一直線をなします。この形はまるで空を滑空する鷲です。一方、秋ごろの空においてベガとその両脇の星はV字型をなしています。これはまるで獲物を見つけて急降下する猛禽類の姿です。秋ごろ、同程度の高度にあって、とても対照的な形を表すアルタイル(わし座)とベガ(こと座)が、「飛ぶ鷲」「落ちる鷲」とセットにして考えられてきたのはとても納得できる話です。

 同程度の高度に並んだアルタイルとベガを見て、私は高校時代の古文の授業を思い出しました。先生が質問します。「七夕はどの季節の季語でしょう?」。正解は「夏」ではありません。「秋」なのです。

 七夕伝説は陰暦の時代の伝説です。だから七月七日という日付けも陰暦で考えねばなりません。陰暦では7月8月9月が秋なのです。つまり七夕伝説は秋のお話です。

 夏は、織姫星が天頂にあり、彦星はその下にあるというアンバランスな形です。ところが、秋になると、彦星と織姫星はまるで本当に夫婦のように、同じ高度に並ぶのです。

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